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この記事では、「世間話⑤ 甲子園球場」「世間話⑥ 甲子園球場の弁当」についてお話された概要を紹介します。
<世間話⑤ 甲子園球場>
僕は長年にわたってヤクルトスワローズのファンをやってまして、神宮球場も大好きですが、日本でいちばん素敵な野球場はどこかって言われると、やっぱり甲子園球場ですね。あそこはなんていうか、別格です。スコアボードがスクリーンになってしまって残念ですが、ボストンのフェンウェイ球場みたいに旧式のままにしておけばよかったのにね。
僕は小学生の頃、兵庫県西宮市の夙川(しゅくがわ)っていうところに住んでまして、そこから甲子園球場までは自転車ですぐだったんです。だからよく自転車に乗って野球を観に行きました。とくに高校野球の外野は入場無料でしたから、子どもが夏休みの暇をつぶすのにはなにしろ最高でした。王さんが早実のエースとして優勝した頃です。相当古い話ですけど。
甲子園球場、中に入って古ぼけた薄暗い階段をのぼっていくと、目の前に芝生の緑が突然さあっと開けます。緑の芝生と、真っ白なユニフォームとボール、そして青空。それを目にしたときの感動って、ちょっと表現しがたいです。他の球場では味わえない雰囲気です。そのときの心の震えみたいなものを今でもよく覚えています。だからドーム球場って、苦手なんです。まず行きません。
<世間話⑥ 甲子園球場の弁当>
甲子園球場の話の続きです。甲子園球場でいちばんよく僕が覚えているのは、なんといっても夏の高校野球での「かち割り」ですね。氷を割って、金魚すくいのビニール袋みたいなのに入れただけのものなんだけど、これを買って頭とか首筋を冷やして、それで溶けた水をストローでちゅうちゅう飲む……これがなにしろ最高にうまいんです。六甲山系の地下水を使って作った氷なんだそうです。
野球を見るのに飽きると、甲子園の海岸に行ってひと泳ぎします。しばらく海で泳いで帰ってきて、また外野席で野球を見る。見ていて暑くなると「かち割り」で頭を冷やす。その繰り返しが楽しかったです。今でも「かち割り」ってあるんでしょうかね?
(TOKYO FM「村上RADIO ~村上の世間話2~」6月26日(日)放送より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0dbadb45d56ad802964ee87a54e2eecde6c3bec3?page=2